Webサイト「こころの詩人 八木重吉の魅力」の目的

日常の生活や自然を、簡易な言葉で表現しながら、真摯な求道心を秘めている重吉の詩は、不思議に、傷ついた人や苦悩に沈む人の心に触れ、共感させ、希望さえ与えてしまう力をもっています。キーツやキリストを愛した重吉の詩は、美しいものを求める西欧精神、罪を深く意識する信仰の求道心、それに哀しみの奥に希望を見い出す日本人の感性を併せ持っています。

「八木重吉の詩を愛好する会」は、昭和60年(1985)年、柏で生まれました。その年、すぐ詩碑建立委員会を組織して、11月に詩碑「原っぱ」を序幕し、その後も文学散歩、詩の鑑賞会、講演会等を企画し、会報も発行しながら活動してきました。八木重吉の資料を後世に残すため、みなさんと情報交換をしながら、活動を継続して行きたいと思っています。

  • ★八木重吉の詩を愛好する会
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八木重吉の詩の紹介(第2回)

素朴な琴
この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美くしさに耐えかね
琴はしづかに鳴りいだすだらう

詩碑「素朴な琴」

「素朴な琴」の解説
八木重吉生家に建立された重吉の最初の詩碑である。誰が読んでも、どんな立場の人が鑑賞しても魅了される詩である。この4行詩は起承転結になっている。まず秋の晴れた明るい日がイメージされるが、実際の光景ではないかもしれない。次の行で、そこに置かれる琴が「素朴な琴」と表現され、純粋な魂を象徴した表現になっているからである。琴の登場で、美しい音を奏でることが期待される。3行目の「秋の美くしさ」は、そのまま自然の美しさ、あるいは紅葉の美くしさが浮かんでくる。重吉が好きだった秋と、求め続けた「美くしいもの」が一緒になって、至福の瞬間がイメージされる。「耐えかね」という言葉に高揚した感動が読みとれる。誰の手も借りずに静かに琴が鳴り出す世界は、もう天国にいる心地であろう。「素朴な琴」で象徴した純粋な魂は重吉の求めた理想をイメージ化しているが、純粋な心の詩人と言われる重吉自身を当てはめたい気もする。
一般的な解釈としては、日本の秋、日本の伝統楽器の琴をイメージして、美しい秋の高揚に心が感動していると鑑賞できそうだが、八木重吉が英文学を学び、イギリスの詩人キーツを愛し、キーツの詩に“To Autumn”〈秋に寄せて〉があることを知っていれば、もっと別の世界に思いをはせることもできる。琴も古代ギリシャの竪琴とすれば、キーツの最も有名な詩”To an old Grecian urn”〈ギリシャ古甕に寄せて〉ともつながり、この詩が西欧と東洋を融合した複雑なイメージを背景にもちながら、重吉の巧みな言葉の切り込みで凝縮されて生まれた詩と見ることもできる。

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