Webサイト「こころの詩人 八木重吉の魅力」の目的

日常の生活や自然を、簡易な言葉で表現しながら、真摯な求道心を秘めている重吉の詩は、不思議に、傷ついた人や苦悩に沈む人の心に触れ、共感させ、希望さえ与えてしまう力をもっています。キーツやキリストを愛した重吉の詩は、美しいものを求める西欧精神、罪を深く意識する信仰の求道心、それに哀しみの奥に希望を見い出す日本人の感性を併せ持っています。

「八木重吉の詩を愛好する会」は、昭和60年(1985)年、柏で生まれました。その年、すぐ詩碑建立委員会を組織して、11月に詩碑「原っぱ」を序幕し、その後も文学散歩、詩の鑑賞会、講演会等を企画し、会報も発行しながら活動してきました。八木重吉の資料を後世に残すため、みなさんと情報交換をしながら、活動を継続して行きたいと思っています。

  • ★八木重吉の詩を愛好する会
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八木重吉の詩の紹介(第3回)

夕焼
ゆう焼をあび
手をふり
手をふり
手をにぎりあわせてふりながら
このゆうやけをあびていたいよ

「夕焼」の解説
この詩は神戸市の御影中学校の庭にある詩碑となって刻まれている。御影師範学校の卒業生達が、昭和50年に学校創立50周年誌を出すために集まった。少し前に重吉生家や登美子夫人を訪問したときに、詩碑がまだ一基しかないことを聞き、母校に詩碑建立の願望を持ち、当時の教え子達に呼びかけた。猿丸修吾さん、藤原正司さん、飛松實さん、門脇清さんらが熱心に活動し、昭和52年10月26日に除幕した。
この詩は柏時代の詩稿「日をゆびさしたい」(大正14年10月18日編)の中にある。ということは、この夕焼は柏の夕焼であるが、御影の詩碑に選ばれたのは、温暖な御影の地の美しい夕焼のイメージとも重なっていたからであろう。そしてオレンジ色の美しい夕焼けが思い浮かぶ。また「ちさい夢」という言葉から手を振っているのは子供だと想像される。絵に描くとしたら、美しい夕焼に向かって無邪気に手を振っている子供の姿であろう。ただ最終行の「このゆうやけをあびていたいよ」と望むのは、子供の無邪気な心を代弁しているように思える一方、重吉自身の心の表現なのだと思う。
明るい秋が好きな重吉が、明るい夕焼に刺激されてこの詩を生み出したと思えるが、「手をふり」の繰り返しがさらに心地よいリズムを与えている。この「夕焼」が入っている詩稿には、「うすら陽」という表現も多く出て来て、それにも共感している重吉の感性は複雑であるが、秋から冬の涼しさ暗さを秘める柏と比較して、御影の地は明るく温暖である。その御影の人々にとっては、純真で明るいこの詩のイメージが御影の詩碑にふさわしいと思えたのかもしれない。

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